竹やりライフログ

(ほぼ)丸腰で何かと戦ってるさま

【アイドル】「演劇集団」としてのアイドル

乃木坂46のMVが良い。舞台稽古(オーディション?)の設定を取っている「君の名は希望」のMV(short ver.)を見たときからうっすらと感じていたものが「気づいたら片想い」で確信に変わった。この人たちはアイドルの名を語る演劇集団なのだな、と*1

 

『気づいたら片想い』


乃木坂46 『気づいたら片想い』 - YouTube

 「気づいたら片想い」でセンターを張っている西野七瀬は深夜ドラマなど外部での役者仕事をすでに経験していて、このMVでは余命わずかな本人役を演じている。控えめでごくごく自然な表現。西野の余命を表すメタファーとしてタンポポの綿毛が用いられているのだけれど*2、突然の豪雨に散りそうな綿毛を必死に守る白石麻衣の姿にマジ泣きした(←)。そして、倒れ込みそうな体に鞭打ちセンターとして舞台に立ち最後まで歌い上げた西野が、伏し目がちで最後に見せる表情!前半の冴えない(失礼)少女と同一人物とは思えないほど色っぽいのよねぇ。ゾクッとします。ブラボー*3。ちなみに、クールビューティ橋本奈々未さん*4も前半の淡い光の中で輝いておられます。美しい。

 

 『君の名は希望-short ver.-』

 


乃木坂46 『君の名は希望-short ver.-』 - YouTube

 「君の名は希望」はこのshort ver.よりもdance ver.の方を支持する人が多いみたいだけど、個人的にはこちらの方が断然好き。演出の強いダメ出しを受けた*5メンバーたちが自身の表現を模索する瞬間。生駒ちゃんがみんなの輪から抜け出し舞台上の平台に向かうシーンがある*6。硬い表情をして肩を強張らせながら、両手を身体の前で握りしめていた彼女が、決意したように前髪のゴムをはずし、一人階段に向かい歩き出す。それを見つめる他のメンバー。その部分の歌詞*7とも相まって非常に鮮烈な印象を受けた。このシーン以前は舞台稽古/オーディションのドキュメンタリー映像と見えるものが、これ以降は楽曲のMVへと転換する。生駒ちゃんが平台へ続く階段を上るとみんなが歌を歌い出し、まるでMVというパラレルワールドに入っていく。。かのような。不思議な感覚に陥るけど、パラレルワールドへこれほど自然に誘ってくれる映像表現はめったにお目にかかれない。よく出来てるなぁと思う。

ところで、この映像って16人のプリンシパルの実際の稽古場面なんでしょうか?それともMVのための架空の舞台稽古/オーディションなんでしょうか?前者であれば、生駒ちゃんの一瞬の変化を追うシーンのコマ割りが出来過ぎているので、違うよなぁ。。。とは思っているんですが。実際のところどうなんだろう。。

あとどうしても言いたいのが、若月さんの片側だけ外巻きにしてフェイスラインに沿わせた長めの前髪。クラシカルで、彼女の雰囲気に似合っていて本当に素敵。現在はやっていないみたいなんだけど、とても素敵だからぜひまた見たい。

 

*1:もしくはそれを志向する人たちの集まり

*2:私の命はあの綿毛の最後の1つが落ちるまで....というお決まりのアレ

*3:このシーンはテレビCMでも切り取られて使用されているけれど、前半の彼女との違いを見ることでより美しく感じられるので、ぜひ一度ストーリーを通して見ていただきたい。

*4:私の推しメン

*5:2:11~

*6:2:30~

*7:"人の群れに逃げ込みまぎれてても人生の意味を誰も教えてくれないだろう"